キャリアコンサルトの私が、キャリアカウンセリングを受けたきっかけ
私はこのたび新入社員から務めた会社を退職し、転職をしました。
育休に入った当時、自分が転職するとはまったく考えていませんでしたが、夫の転勤やコロナ禍での私の職場側の変化などが積み重なり、転職に至りました。
転職の経緯については、こちらの記事にまとめています。
ただ、そういった環境変化が発覚した際、「転職」という言葉はよぎったものの、超心配性な私の頭の中では、
いやいや、育休明けで雇ってくれるところある…?第二子出産までは無理してでも今の会社にいたほうが産休・育休・時短の制度を取りやすい…?でも単身赴任のうえ激務だった場合、そもそも第二子を授かれない可能性が…
と、各種メリット・デメリットが駆け巡りました。
こういう時、専門知識を持つ第三者に相談し、客観的なアドバイスをもらうことの優位性は、自分がキャリアコンサルトになるためにしてきた勉強・経験で身に染みています。
特に私のような超心配性・検索魔の人間は、転職した場合としない場合のデメリットが無限に浮かぶ→実際どうなのかと情報収集にのめり込む、の流れで一向に悩みが収束しないと過去に実証済みです。
世の中にどんなサービスがあるかのリサーチも兼ねて、キャリアカウンセリングを受けてみようという気持ちになりました。
これが、私がキャリアカウンセリングを受けたきっかけです。
そもそもキャリアカウンセリングって?どんな人が受けるの?
キャリアカウンセリング、キャリアコンサルティングは、厚労省の定義を引用すると、
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント (mhlw.go.jp)
ということです。
かみ砕くと、キャリアについて悩んでいる、助けを必要としている人の相談を聞いて、一歩前に進むきっかけづくりをしてくれるもの、といった感じで私は解釈しています。
こう言うと小難しいですが、具体的には
- 大学のキャリアセンター
- 就活の合同説明会の相談ブース
- 転職エージェントの担当者
- 人材派遣会社のコンサルタント
- 企業の人事担当
といった方々をイメージしていただければ、何となくわかっていただけるかと思います。
ただ、「自分は転職するんだ!」と決意していれば転職エージェントへ、「あの部署に異動したいんだ!」と企業内で解決する悩みであれば人事担当へ相談すればいいのですが、
将来の結婚・出産を考えると、今のままでいいのか不安…
別に異動も転職もしたいわけじゃないんだけど、なんか物足りない…
など、仕事や生き方そのものの悩みを抱えている場合は、キャリアカウンセリングを仕事にしている会社やカウンセラーに相談するのがよいです。
やはり転職エージェントは相談者に自社で転職をしてほしいというスタンスになりますし、人事担当に自分の人生設計全般までは相談しにくいですよね。
相談料は発生しますが、中立の立場から悩みを整理してもらえたり、助言をもらえたりします。
具体的にどんなことをするかと言うと、1回1時間程度、値段は1万円前後、形式は対面・WEB相談・メッセージのやり取り…などさまざまです。
特におすすめなのはメッセージ相談
私はプライベートで5回ほど、キャリアコンサルタント同士の研鑽の場も入れるともっと、キャリアカウンセリングを受けたことがあります。
カウンセリングの技術を持つ他者との対話することで、「あれ?自分ってこんなふうに考えてたんだ」「自分ではこうすべきって思ってたけど、思い込みだったかも…」と気づきを得たり、思考を整理していけるのが魅力というか、結構おもしろい体験です。
ただ、1時間という限られた時間の中で相談するので、後々になって、
あ、あれ相談しようと思ってたのに忘れてた…!
今日はイマイチ上手く話せなかったな…
今日のカウンセリング内容をふまえて、改めて落ち着いて考えたら、こんなことも相談したかったな…
とモヤモヤが残ることもありました。
そもそも1回のカウンセリングではできることが限られるので、1時間×何回かを繰り返していくことが前提なので、1回のカウンセリングで
頭の中に細かく場合分けされたシチュエーション別の心配事が詰まっているので、一般的な人より話し漏れが起こりやすいかもしれません。
転職の相談を思い立った時、子どもがいても相談が可能なオンライン相談のようなものがないかなと探しました。
そして、これいいかもと思ったのが、メッセージ相談です。
好きな時間にチャットでキャリアカウンセラーに相談できます。期間内は何度でも相談できるので、まとまった時間を作れない方や、対面だと緊張してしまうという方にオススメです。
*ビジネスチャットツール「チャットワーク」使用
選べるスタイル | マイ・カウンセラー – 女性のためのキャリアカウンセリングサービス (escareer.co.jp)
*リアルタイムのキャリア相談ではなく、2週間(※土日祝除く平日10日間)かけてじっくり相談するスタイルです。
よいと感じた点は、
- 子どもを預けたりしなくても、子どもを寝かしつけた後の時間を利用してメッセージを書いたり読んだりできる
- リアルタイムで説明・返答しなければならない対面相談と違い、好きなだけ時間をかけて自分の考えをまとめてから相談・返答することができる
- カウンセラーからキャリアを整理する課題(ワークシート等)をもらって、それを埋めたり、相談の途中で修正・加筆してお互いの思考や共通認識を深めることができる
というところです。
1.については対面やオンライン面談でも「子どもが横にいてもOKですよ」というところは少ないながらも他にもありましたが、1時間程度の限られた相談時間しかない中で、いつ子どもが泣き出すかとハラハラしながらだと集中力に欠けます。私がカウンセリングを受けようと思っていた当時は、コロナ禍で一時保育も受付がなく、頼れる親族も周囲に住んでいなかったので、自分の空き時間を利用して相談メッセージを送り、カウンセラーからの返答を確認する…という流れで進められるのはありがたかったです。
1日1往復×平日10日間というペースもちょうどよかった。もし1日に何往復もやりとりするとかだったら、子どもの隙を見てメッセージを書いたり読んだりしないといけないから、ちょっと大変だったと思う。
2.については、心配事が山盛りになる私には特にぴったりでした。まず自分の相談したいことを文章に起こすと、自分がどういう状況で何について悩んでいるのかを整理できますし、何度か読み返して「相談したいこと漏れてないかな…?」と確認することができます。カウンセリングが終わった後に振り返ると、
この分量で、いろいろな条件が複雑に絡まりあった相談、口頭で1時間内にうまく説明しつくすなんて絶対無理…。
と思ったほどでした。
3.については2. とも重なる部分がありますが、こちらの相談事項の概要を伝えた上での最初のやりとりで、「ワークシートを埋めてみてください」と課題をいただきました。ワークシートを埋めておき、相談内容を踏まえて、修正や追記を重ねていく…というのは、1時間のカウンセリング内ではできないことです。
人によっては「うわ、そんなの書くの面倒…!」とマイナスかもしれませんが…。
ワークシートについては使用されるかどうか事前に知っていただけではないですし、担当してくださったカウンセラーの方がたまたま使ってくださっただけではあるのですが、1時間のカウンセリングでは取り入れづらい手法かなと思いますので、これもメッセージ相談ならではのいいところと言えます。
頭の中で考えて考えてごちゃついていたものが、文字に起こすことで整理され、さらにワークシートを記載していく中で見通せる形に表せた感覚です。
対面相談がおすすめの人、メッセージ相談がおすすめの人
それではメッセージ相談が万能かというと、そうではありません。
例えば、対面では確認できる相談中の表情、言葉の抑揚・詰まり、身振り手振りなど非言語の情報が伝わります。メッセージ相談ではこういった言外の表情が見えないですし、文章も何度か推敲して提出されているので、素や本音を取り繕ってしまう可能性があります。
対面相談がおすすめな人
- 複数回のカウンセリング機会を確保できる(メッセージ相談の利点である複数回のやりとりが、そもそも対面でも実現可能)
- 文章にまとめるのは面倒、逆に文章だと取り繕いすぎて本音が出せない
- じっくり考える時間があるより、短時間集中で迅速に相談したい
メッセージ相談がおすすめな人
- 1時間1本勝負ではなく、複数回or時間に縛られずにやりとりしたい
- しゃべって説明するのが苦手、対面だと取り繕って本音が出せない
- 相談事がたくさんor複雑なので、文章やワークシートで整理しながら進めたい
私も「期限が迫っているから、〇〇についてだけなるべく早く相談したい!」と緊急で相談内容も絞れている時は対面やオンラインなど口頭で相談できる手法を選んだりします。
今回は私が転職をするきっかけとなった、キャリアカウンセリングの話でした。
皆さんの参考になれば幸いです。
おわり。