ただのオーディション番組ではなかったTHE FIRST
スッキリそしてHuluにて放送されていた、SKY-HIさん(AAA日高さん)が私財1億円をかけて行ったオーディション番組であるTHE FIRST。
そして、そのオーディションから生まれたダンス&ボーカルグループであるBE:FIRST。
育休中の私は朝の家事の合間にスッキリをみたことで、見事にはまってしまいました。
Huluや公式YOUTUBE、BE:FIRSTの追いかけ・解説系のYOUTUBEを何順も見てしまいます。
音楽はもともと好きでしたが、これまでボーイズグループにはまったり、おっかけたりということはありませんでしたが、これは育休中の閉塞感マジックなのでしょうか…?
仕事のカテゴリで、何でBE:FIRSTに乗っかってるねんと思った方もいらっしゃるかもしれません。
けど、はまったキッカケが、このオーディション、そしてオーディション成立後のプロモーション過程において、仕事やキャリア、ワークライフバランスについて考えされられるな…と感じたことでした。
厳しい課題を課しているのに、接し方まで厳しい必要はない
オーディション番組って、参加者同士ライバル関係バチバチで、主催者や審査員・レッスンの先生に怒られて…というイメージがあります。
でも、THE FIRSTで、主催者であるSKY-HIさんは参加者に対して、常に配慮ある言葉をかけていました。
「もっと〇〇だったらかっこいいかなと思いました。勝手にそう想像してしまうくらい素敵でした」
「それは課題というより、伸びしろとして認識してください」
「順位は下がったけれど、それはあなたのパフォーマンスが伸びていないということでは決してない」
など、参加者を否定しない言葉がけです。
テレビやらラジオやら雑誌やらとにかく供給が多いので、どこで話されていたか覚えていないのですが、「どうして厳しい指導をしないのか?」といった内容を質問された際、
「とても厳しい課題を課しているのに、接し方まで厳しくしてもよい方向には転ばない」
というようなことを回答されていました。
SKY-HI さんは全国模試の国語で全国1位を取られたことがあるそう。
それだからか(またはラップをされてるからなのか、漫画が大好きでたくさん読まれてるからなかもしれませんが…)、語彙が豊かなんだろうなと感じます。
たくさんの言葉を知り、それを使いこなすことができる。
これがもし、学校教育により育まれたものなのだとしたら、私の仕事(学校ではないですが、教育系のコンテンツ制作の仕事をしてます)も捨てたもんじゃないなとちょっとうれしくなりました。
SKY-HI さんはまだ中学生の参加者であるルイくんに対しても、学校教育は馬鹿にならない、学校の勉強で考える力をつけてほしいともおっしゃっていました。
自分のことに置き換えても、仕事での部下・後輩への接し方、今後の子どもとの接し方で、本当に参考にしたいなと思わされました。
アスリート的なストイックさ、目的地がないまま走っていないか?
「アスリートのようなストイックさに走っている」
「目的地が決まっていないままたくさん走っているような印象を受けました」
これは、ほかのメンバーも人一倍努力家と認めるテンくんが脱落した時に、 SKY-HI さんがおっしゃった言葉です。
仕事に忙殺されていると、とにかく目の前のタスクをこなすことに精一杯で、「自分の自由時間どころか、食事も落ち着いて食べれない。家に帰るのが遅いから、睡眠時間さえも削られる。
何のために働いているの…?」と思わされることがあります。
でも、忙しくて、この職場で働くのが自分にとってベストなのか、転職すべきなのか、この苦労のメリットは何でデメリットはなんなのか、考えることができない思考停止状態となります。
こんなに苦しむなら辞めてしまった方がいいのかな?
でも転職したあと、もっと悪い状況になって後悔するかも。
一度専業主婦になって、子どもとの時間を大切にした方が後悔がない?
こんな悩みで堂々巡りしてしまうのは、目的地が定まっていないから、自分が何を大切にしたいかが整理できていないからなのかなと思います。
「『アーティシズム』って、自分がどういうアーティストであるかを自分で認識する自覚する能力と、どういうアーティストになっていこうかというそのビジョンを具体的にする力だと思うんだよね」
「アーティストやってると、とにかく迷うことが本当に多い。その時に自分がどういう道に進んでいくかと言うコンパスみたいなものになってくれるのが、アーティシズムという力」
これは、アーティスト、アーティシズムをそのまま「キャリア」「仕事観」「人生観」といった言葉に置き換えて成立すると思いました。
自分がどういう人生を送りたいのか、どんな仕事観を大切にしているのか。
まずはその「芯」を自覚すること。
その次に「芯」をぶらさずに具体化できること。
これが大事なんだよな、と改めて考えさせられました。
じゃあどうしたらいいのか?
「一度自分を追い込む環境から自分を逃してあげて、少し自分を甘やかしてほしい。願わくばその時に何かアート、心の栄養を携えてほしい」
これはこれまでがむしゃらに努力したテンくんにだから、かけられた言葉ですね。
育休中は、まさに仕事から離れて、少し立ち止まって考えることができる環境なのかもしれません。
(とはいえ、授乳、離乳食、食事の準備、おむつ替え、お風呂、寝かしつけ…で、気づいたら一日が終わってますが…)
怖くても進め。どうせ飛ぶなら高く。ブレーキなんて踏まない方が素敵
I know this is the only way 怖くても進め(To The First)
どうせ跳ぶなら高く ほかの奴らじゃ到底追いつけないくらい (To The First)
Let your soul glow ためらいには勇気を(Be Free)
見え透いた未来で何がしたいの?もし変えれるならどうなりたいの?増えるだけの荷物はもうBye-bye(Move On)
ブレーキなんて踏まない方が素敵 スリルすらスパイスにして荒波をドライブ (Shining One)
これらはSKY-HIさん作詞の歌詞です。
To The Firstは SKY-HI さんの曲で、Be Free・Move On・Shining OneはBE:FIRSTの楽曲ですが、すべてオーディションの課題曲としても歌われていました。
私は入社以来、仕事9:プライベート1くらいの感覚で仕事をしてきました。
帰宅が日付をまたぐこともたびたびあったし、県外への出張も頻繁、土日出勤も当たり前でした。
大学生のころから主婦になりママ友とランチ…という自分が想像できず、何となくずっと働いていたいなとは思っていましたが、えらくなりたいとは思っていなかったので、出世には興味がありませんでした。
でも、担当の仕事で評価してもらい、希望する新たな仕事に抜擢されたいという思いはあったので、仕事で成果が上がるように努力をしてきました。
しかし、結婚・出産を経て、自分の中での比重がいっきにプライベートに傾きました。
定時で終わる仕事に比べたら、時間的にも2倍は働いていると思うので、やや燃え尽きたようなところもあったかと思います。
育休前、若手社員の子たちがかつての自分のように、とにかく仕事に正面から取り組んでいる姿を見て、
「ああ、負けるなぁ…」「あの自分が持っている熱量をすべて仕事に注ぐ仕事の仕方、もうできないな…」
と複雑な気持ちにもなっていました。
子育てや家事もあるから、全力では仕事はできない。
時短勤務も利用するだろうし、これからは仕事は自分の希望するものでなくても、とにかくできるだけ家庭を優先しやすい部署・会社がいいな、と。
こういった歌詞や、オーディションでの参加者のがんばり、SHY-HIさんの熱意を見ていると、これから先ずっと子育てを言い訳に何もない自分でいいのかな…?という気持ちになりました。
また、SHY-HIさんは自分のアーティスト活動も行い、会社のスタートアップ・社長業務もこなされ、BE:FIRSTや育成生のマネジメントもされているわけです。
数カ月にわたるオーディションを開催し、ご自身も泊まり込みで合宿も行われていたというのに、ご自身のアルバム発売に向けての制作活動も同時にされていたと。
ご自身のアルバムタイトル通り、まさに八面六臂(多方面で、めざましい活躍をすること。また、一人で何人分もの活躍をすること)。
私のような一般人に置き換えると、今までの仕事をしながら、自分がやりたい副業もスタートさせ、子育てもやっている…みたいな感じか…と思いました。
自分の持ち時間は24時間から増えないのだから、「子どもがいたらいたで、何とかできるようになるよ」なんて、先輩ママに言われてみても、でもやっぱり仕事のできる範囲は変わってくるよな…と思っていました。
でも、これまでの仕事も辞めたり減らしたりせず、これからやりたいことも全力で取り組む。
そんなことができるんだと感動しました。
しかも、オーディションでの盛り上がりが覚めないうちに迅速にShining OneのMVを公開されたり、ライブやメディアへ出演されたり、クラウドファンディングを取り入れたり、肖像権に対する見解の表明もされたりなどなど…本当に展開が早く、ファンを飽きさせない運営をされていると思います。
BE:FIRSTの楽曲も、実はBe Free→Move On→Shining One→Gifted.と頭文字を取ると「BMSG」というSHY-HIさんの会社名になっていて、ファンとしては「そうだったんだ!」「いつからその仕掛けを考えていたんだろう??」「次はどんなことがあるだろう?」とワクワクさせられる仕掛けがちりばめられていたりもします。
仕事の仕方も本当にスピーディーで、工夫にあふれていて脱帽です。
ちょっと話がそれました…。
もちろん、子どもとの時間はかけがえのないものなので、仕事をセーブして200%子どもと過ごすという選択肢もあります。
でも、いまは自分の目的地が定まっていない状況なのがやはり問題点だなと思います。
家庭と子どもが大事で、それに全力投球するのか、
家庭と子どもが大事だからこそ、そのためにお金を稼ぐ必要があるのか、どのくらい必要なのか、
家庭と子どもと、プラスしてやりたい大切なことがほかにあるのか、
仕事復帰に向けて、もう一度考えてみようと思わされたTHE FIRSTなのでした。