イギリスの「エコノミスト」という経済誌で、女性の働きやすさに関する調査が出たそうです。
調査対象はOECD加盟国のうち所得水準などを参考に選んだ29か国。
日本はその中で何と28位だそうです。
調査項目は以下です。
1.高等教育を受ける男女比率の差
2.男女の労働参加率の差
3.男女の給与差
4.管理職における女性の割合
5.役員における女性の割合
6.MBA=経営学修士を取得する試験を受けた女性の割合
7.議会下院もしくは一院制の議会での女性の割合
8.賃金に占める育児費用の割合
9.女性が取得可能な有給の育児休業期間
10.男性が取得可能な有給の育児休業期間
今日はこのニュースで、普段総合職で働く私が感じたことをお伝えします。
日本が最下位となった項目は「女性が出世できない」だけではなく、「女性が仕事をしづらい」ことも表している
10の項目のうち、日本が最下位となった項目が3つあるそうです。
それが、
4.管理職における女性の割合
6.MBA=経営学修士を取得する試験を受けた女性の割合
7.議会下院もしくは一院制の議会での女性の割合
だそうです。
ぱっと見、
「私はバリキャリ思考じゃないし、べつに管理職にも経営にも、ましてや議員になることにも興味ないし、別に関係ないや、いいや」
と思いそうな項目です。
ただ、これらの裏には結局のところ、育児などで女性が一般社員としても働きづらく、結果としてキャリアアップに結び付くところまでいかない…という背景があるように思います。
私の職場は、いわゆる「女性が活躍しやすい」職場というやつで、
男女の仕事の評価に差別があるようには感じません。
そして、優秀な女性もたくさんいます。
ただ、その分男女関係なく求められる仕事量は多いため、育児で勤務時間に制限があると、どうしても役職付きの仕事をしたいという意欲は低くなる気がします。
課長などに昇進していく女性ももちろんいますが、かなり苦労してやりくりされている様子です。
そういった姿を見て、「私はあんな風にはできない…」と感じる若手の女性社員も出てきてしまう、そんな負の循環がある気がします。
育児休業期間は、男女ともによい順位だけれど実際は???
とくダネ!で報道されていたのですが、
女性の育児休業の期間は9位、男性の育児休業の期間は何と1位だそうです。
ただ、男性の育児休業の取得率はどうかというと、7.48%とのことです。
育児休業については、制度としては整備されていても、実際に取得できるかは完全に別問題というのが現実。
また、子どもは育児休業期間が終わったらいきなり手がかからなくなるわけではないので、その後の有給の取りやすさ、融通の利きやすさなども関係してきます。
根本的に労働で拘束される時間が長ければ、必然的に育児とは両立がしにくくなります。
そういった要素は考慮されていないランキングでワースト2位ということは、
実際はもっともっと働きづらい国なのではないかな?というのが実感です。
日本の社会は女性に対して家庭に専念するか、家庭とキャリアを200%の力でこなすかの選択を迫っている
エコノミストは「日本や韓国の社会は女性に対して、いまだに家庭を持つかキャリアを追求するかのどちらかで選択を迫っている」と評したそうです。
私の感覚でいうと、「日本の社会は女性に対して家庭に専念するか、家庭とキャリアを200%の力でこなすかの選択を迫っている」です。
働きたい女性は家庭を100%の力でこなしつつ、キャリアも100%に近い力でこなすこと。
無理な人は仕事を辞めて家庭の100%のみに専念すること。
家庭は旦那と協力して50%、キャリアも子供は中学校になるまでは50%ということは無理。
そんな感覚です。
育休同様、時短勤務の制度がある会社はそこそこにあるのではないかと思います。
そして、制度上は子ども小学校低学年までは取得可能とか、もしかしたら小学校の間は取得可能みたいな企業もあるかもしれません。
もちろん、その制度をフル活用できる会社もあるかもしれませんが、私は時短勤務中も結局残業せざるをえなかったり、やむなく子どもを寝かしつけた深夜に持ち帰り残業をしていたり、そんな女性の先輩の姿をたくさん見てきました。
暗黙の了解で、時短勤務≒子どもの保育園の時間にいったん帰れるが、そのあとサービス残業をしたり、翌日早朝残業をして仕事量をこなす勤務形態のこと、と思われているのではないか?とさえ思います。
制度や社会が変わるのは待てない。自分ができる範囲で根気強くやっていくしかない?
こういった調査がでると、「やっぱりな」と思うと同時に、「でもどうしたらいいんだろう…?」という気持ちになります。
時短勤務で復帰なのにリーダー業務を任されて困っている同僚、時短勤務にすると標準給与やボーナスが下がってしまうため通常勤務にせざるを得ない同僚、時短で復帰したもののいきなり仕事のピークで持ち帰り残業している同僚、そういったギリギリの判断をせまられて何とかやっていっている姿を見ます。
私も育休から復帰するタイミングではどうなっているかわかりません。
ただ、すぐに制度が日本の社会が変わるとは思えません。
きっと私もギリギリの中、何とかやっていくしかないのかなと思っています。
ただ、子どもにとっての母親はかえがきかないことを思うと、どうにか勤務時間内では効率よく働き、時短勤務を死守して、子どもとの時間をたくさんとっていければと思っています。
わが子が働く20年後には、本当の意味で女性が働きやすい世の中になっているよう、できることがないか日々考えていきたいです。
本日の結論
結局は、がんばるしかないのかなぁ… でも自分が何を大切にしたいのかは忘れないようにする