つわりも出産の痛みも産んだら忘れる…とよく言うように、出産直後は「こんなつらい経験、1億円積まれたってもうできない!」と思っていたのに、今では相当辛かったことは覚えているものの、どんな気持ち悪さだったか、どんな苦しみ痛みだったかは思い出せなくなってきています。
育児のことも、このバタバタの中できっと忘れていきそうなので、実感のあるうちに日記にしておこうと思います。
まずは、産後0か月目、子どもがいわゆる「新生児」と呼ばれる時期についてです。
腰のぐらつき・会陰切開の痛み・足のとんでもないむくみの三重苦
出産直後、私自身の体としては主にこの3点に苦しめられました。
会陰切開の痛みは主に入院中の5日間、足のむくみは2週間、腰のぐらつきは1カ月くらい続きました。
出産時、子どもの頭が骨盤に引っかかり、結局吸引分娩にもなったくらいなので、
「切開しますね」と言われたときはとにかく早く産みたくて考える間もなく承諾していました。
会陰切開については妊娠中の精神不安定期に調べまくって、ほぼ避けられないだろうという結論に至ったので、覚悟はしていました。
覚悟していた通りというか、会陰を縫合したところはとにかく座ってベッドやいすに触れると痛いので、ベッドから起き上がるときの体勢には苦労しました。
トイレも慎重にしないと染みるのでは?裂けるのでは…!?と緊張しました(実際はそんなことないらしいですが…)。
退院前に抜糸したら少し楽になり、1カ月検診の頃にはちょっと引きつる感じがするかな?くらいになっていました。
足のむくみ、腰のぐらつきは事前にマークしていませんでした。
むくみは妊娠中から出る方もいるそうですが、日常でだるいなと感じるレベルのむくみではなく、本当にゾウの足のように足の甲や指先までパンパンになりました。
履いてきた靴は入らず、病院でもらった使い捨てスリッパで退院しました。
着圧ソックスは足首までの圧のサポートしかないため、かえって足の甲から指先に水分が逆流し、むくんでしまいます。
ネットで探しまくって、足の甲にもサポートがあるサポーターのようなものを急遽購入しました。
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総じて、そろそろとしか動けなかったです。
出産時に血も失っていて、貧血もありましたし、基本は寝たきりの状態。
ただ、おむつ替えに授乳、それに何もなくとも泣く我が子を抱っこするためにと、頻繁に寝たり起きたりする生活。
産後は骨盤に限らず骨が緩むそうで、手も腱鞘炎になりかけのような痛みがありました。
出産でさんざん痛い思いをしたのに、産後も痛いことずくしです。
混合育児といいつつ、ほぼミルク。そして授乳はこれまた痛い。
産後すぐの母乳の状況ですが、私からすると、「母乳ってすぐに出る人いるの?それって才能?」状態。
出産前のネット検索で、出産後も授乳が痛い!乳腺炎になると高熱が出たり、胸が岩のように固くなり、さらに痛い!と知っていた私。
授乳が痛いのは産後1日目ですぐ気づきました。
でも授乳しないで、母乳が詰まって乳腺炎になるのが怖いので、入院中は授乳のたびに助産師さんを呼んで、乳腺のマッサージをしてもらいました。
最初は自分でしようとしていたのですが、自分でそんな痛いことをするのは無理。
助産師さんが「自分でなんて、痛くて私でもできない。授乳のたびにナースコール押して、マッサージ頼んでいいよ。」とおっしゃってくれてから、毎回お願いしていました。
このマッサージ、どれくらい痛いかというと、私の場合、会陰切開の抜糸くらい痛かったです。
私は切迫早産になってしまい、妊娠後期に胸のマッサージができなかった(妊娠中に胸を刺激すると、子宮収縮が促され、早産につながる可能性があるそうです)こともあるかもしれませんが、とにかくチクチクして…
でも、乳腺炎がとにかく怖かったので、一カ月検診まで、週1くらいで胸の状態と、授乳が正しくできているかのポジションチェックに産院に通っていました。
そして、そこまでがんばっても、授乳1回1時間くらい格闘しても5㎖とかです。
赤ちゃんは退院後は1回60~100㎖くらい飲むので、全然足りないで、そのあとミルクを足します。
それでまた準備~飲ませる~後片付けで1時間くらい。
こんな少量しか出ない母乳のために、意味あるのだろうか…とどっと疲れたりしたものです。
寝入った瞬間に起こされる絶望
産後、一番つらかったのは、やはり眠れないことです。
3時間おきに授乳になるとの下調べはしていましたが、そんなもんじゃなかったです。
うちの場合は、おむつがぬれると、ちょっとでも絶対泣く子だったため、
授乳2時間(母乳1時間+ミルクの準備から片付けまで1時間)→やっと寝た、私も寝よう…と横になり、おそらく30分くらいでぐっと深い睡眠に入ろうとしたところでまた泣き声。
もう、金縛りのように体が動きませんでした。
「寝そうになったら起こしてっていう拷問があるってTVでやってたことあるよな…」と思いながら、
どうにかして体を起こして、おむつを替えて、腱鞘炎になりかけの手で抱っこ。
30分くらい抱っこして、「寝たかな…?」と思っても、ベッドに置くと起きてしまうのです。
また泣いて振り出しに戻るよりは、抱っこしたままでスマホでも見ようか…と1~2時間ずっと抱っこしたりもしていました。
深夜1~3時くらいは、本当に時間が長く感じられ、ちょっとした恐怖の時間帯でした。
退院後2週間は日中母に手伝いに来てもらい、夜はホテルに泊まってもらうスタイルをとっていたのですが、夜もいてもらえばよかったかなと何度か思いました。
何をしてくれなくてもとにかく誰かいてほしい。
産後の精神不安定もあり、世の中で自分以外起きていないのではないかというような孤独感がありました。
4時に朝のニュースが始まると、「ああ、朝だ。最悪、ここから寝れなくても大丈夫。朝だもん。」と謎にほっとしました。
物忘れの中、提出書類と葛藤
実は結構あるらしいのですが、産後すぐって、物忘れが激しくなります。
ろくに眠れてないとか、貧血だとかの影響もあるのかもしれませんが、
「あれ、今何しようと思ったんだっけ?」レベルで忘れます。
私は育児日誌(授乳とか、おむつ交換の記録)をミルクのおまけでもらった専用ノートに着けていたので、
・しないといけないこと
・手伝いに来てくれていた母にしてほしいこと、買ってきてほしいもの
・次に産院に行ったとき質問したいこと
はそのノートにふせんを貼ってメモしていました。
また、生後2週間で苦労したのが、書類関係です。
出生届は夫が書いてくれたのですが、私の会社に提出する書類が10種類くらいあって、それはさすがに自分で記入するしかなく。
しかも、生後8週までとか、生後1カ月以内にとかいう書類も多くて、結構時間がないんです。
書類に関しても、産前ネット検索していて、「大変だから、記入できるところはすべて産前に埋めておいた」という記事を見ており、事前に埋められるところはすべて記入していました。
それでも、病院に記入してもらわないといけないもの、いざ記入を始めたら記入方法がわからず会社に問い合わせなければならないものなど出てきて、思うように進みません。
そして、物忘れが激しい中、授乳・おむつ替えで作業を中断されつつ進めるのはかなりストレスでした。
退院後2週間は母が手伝いに来てくれたため、「いま書類を書かせて!おむつ替えとか、あやすのよろしく!」と時間をもらってどうにかこうにか書き進められたのです。
母がいてくれなかったら、こういった手続きを進めるのも数倍苦労しただろうな…と有難く思いました。
我が子が生まれた実感、愛着が徐々に増していく
とはいえ、結局我が子はかわいく。
出産直後、カンガルーケアで抱かせてもらった際は、「(出産)終わった…」とぼうぜんとしており、
「この子が今までおなかにいたの…?」と実感がわかないというか、何とも不思議な感じでした。
でも、泣き声を聞いて、ほかの子よりかわいい声をしている気がする…と思ったり、
小さな耳、鼻、手、足、そして爪までも、こんなに小さいのにちゃんと作られている様子を見て、
本当にありがたいし、美しいなーと思ったり。
一番大きかったのは、泣いているのに自分が抱っこしたら安心して泣き止んだり、おっぱいを求めて口をあけてきたり、そういう赤ちゃんの姿によって、母親の自覚がじわじわと湧いてくるのかなと思う一カ月なのでした。