出産したあなたは、慣れない子育てに精いっぱいで、時に子どもと一緒に泣きながら日々を過ごしているかもしれません。
出産して1~2カ月は、体もボロボロ、睡眠不足、ひまがあったらとにかく寝ていたい…という感じで、何かを考える余裕はないかと思います。
でも、少しだけ、「テレビでも見ようかな」「洋服でも買いに行こうかな」なんて余裕が出てきたら、自分のキャリアについても考える絶好のチャンスかもしれません。
今回は、出産後はキャリアを考えるのに適しているかもしれないと思ったお話です。
価値観が変化する
自分を取り囲む状況が一変すると、やはりキャリア観も変わってきます。
私の場合、子どもを授かる前は、子どもができたら小さいころは、できるだけ長い間一緒にいてあげたいと思っていました。
自分の両親が共働きで、小さいころ少し寂しい思いをしたことも関連しているかもしれません。
小学校卒業までは学校が終わったら、母が帰ってくるまで祖父母が私を預かってくれていました。
そんな恩があるので、今でも祖父母は特別な存在で大好きですが、当時はやはり母の存在は特別だったようで、特に夏休みなど、母がいないと寂しく感じていました。
祖父母に預けられている間はあまり自由に友達の家に遊びに行けないことでつまらなかったというのもあるかもしれません。
そういった記憶もあって、子どもができたらできるだけ長く時短勤務したいし、時短でうまくいかないようなら仕事を辞めてもいいかもとも考えていました。
ただ、妊娠・出産してみて、ちょっと考えが変わりました。
というのも、あれこれにお金がかかる…!
子どもからしたら、お母さんが常にそばにいなくて寂しいのはせいぜい小学校卒業までの10年ちょっと。
中学校に上がったら、お母さんと出かけるのはむしろ気恥ずかしくなり、友達と遊びに出かけたい年ごろ。
そうなったらお母さんが専業主婦でずっと家にいるよりも、外で稼いできて習い事やその後の進学費用を工面してくれるほうが助かるのではないか…とも考えるようになりました。
私の場合は、出産を経験して、子育てがより現実的なものになり、考え方が変化したのでした。
人によっては、やっぱり家にいたいと思う方もいるだろうし、育児で家にこもってみて「やっぱり無理!社会とのつながりがほしい!」と思われた方の話も聞いたことがあります。
人生の転機には、自分のキャリア・人生の考え方が変わったり、「やっぱりこう!」と今までの考えがより強まったり、何かしらの変化があるものかもしれません。
子どもの頃のできごとをよく思い出す
妊娠中も一部そうではあったのですが、出産してから自分の子どものころの記憶をよく思い出します。
ベビーカーに乗っているとき、大きな黒い犬が寄ってきて怖かったな…
幼稚園の夏休み、お母さんと一緒に電車に乗ってデパートの海の生き物展に行ったな
年末の寒い日、商店街でくじ引きをして、楽しかったな
自分の子どもを見ているからか、そういった今まで忘れていたできごとをふと思い出します。
キャリアカウンセリングでは、ベースとなる理論がいくつかありますが、その中で子どものころからの印象に残っているできごとを振り返り、自己概念を見つめなおすというものがあります。
私も実際にやってみたことがありますが、幼稚園・小学校時代の記憶ってそんなに思い出せないものです。
でも、出産をしてから同じワークを行ってみると、あれこれと思い出せたりしました。
SHOWROOMで有名な前田社長の「メモの魔力」でも、前田社長が100ほどの質問項目について幼少期・小学校・中学校・高校・大学・社会人(20代)・現在ということなるタイミングでどう感じていたかというのをひたすらメモしていくというワークが掲載されていました。
幼稚園や小学校の時なんて、今と好みも違うし、何も考えてなかったし、考えていたとしても今とは違いすぎて参考になるの?なんて思うかもしれませんが、意外と変わっていない自分の「軸」が見えてきたりします。
変わっていた場合も、何がきっかけでどう変わったのか?を考えていくと、自分にとって重要だと感じるできこと、大切にしているものが見えてきたりします。
授乳の時間などにぼーっと何かを考えることができる
産後は全然時間がありません。
食事の用意をしようと思ったタイミングで赤ちゃんが泣きはじめたり…一日の予定を立てて何かをするということが難しいです。
母乳やミルクをあげるのも、一日に何回もだし、1回20分30分、下手したら1時間くらいかかったりもします。
でも、何回も強制的にあるからこそ、授乳中にはこれをしようと決めておくと、習慣にしやすいのでは?と考えました。
見たかったテレビ録画をこまごまと再生する、音楽を聴く、授乳姿勢のままできる軽いストレッチ・呼吸法などを行う…そんなことをやってみてもよいかもしれません。
また、今回はこんなことを考えてみようと、ぼーっとでもよいので、考える時間にしてみることもできるかなと思います。
自分って何が好きなんだっけ?
自分がしてきた仕事で、何が楽しかった?
これから10年どんなふうになっていきたいかな?
子育て中、手は空いていないけど考えることはできる、授乳だったり、食器洗いの時間だったり、そんな時間を使って、自分について振り返ることができるのが産後かなと思います。
子育てに慣れてくると隙間時間にキャリアアップの勉強も可能
最初の2カ月間くらいは子どもが寝ると、
この隙に私も寝るか?家事をするか?
とにかくこの2択でした。
寝ているけど、あと30分で起こして授乳しないといけないから、今は寝ずに洗濯しようとか、
眠いから寝たいけど、今夕食の下ごしらえしないと間に合わないから寝れないなとか、
今そんなに眠くないけど、ここを逃したら夜まで眠れないかも、寝てみよう…とか。
しかし、産後3カ月くらいで、どうしても私の保有している資格の勉強会にいくつか参加せざるを得ない状況となりました。
事前学習も必要で、こなせるかな…と心配ではあったのですが、思い切って参加することにしました。
このころには夜泣きでだっこしてないと寝ない…みたいなことが少なくなったこともありますが、
参加を決めてみると、授乳中に課題の動画を視聴したり、子どもが寝ている隙に記述式の課題をこなしたり、案外余裕をもって事前学習を終了することができました。
子どもが大きくなってもう少し落ち着いてから…と考えがちですが、ハイハイやつかまり立ちが始まってしまうと、目が離せなくもなってきますし、お昼起きている時間も長くなってくるかと思うので、案外産後3~6カ月くらいは勉強などキャリアアップに時間が割けるのかもしれません。
また、育児だけに集中していると気がめいってしまうこともあるので、負担にならない範囲で勉強と二本軸にすると、適度なストレス発散になるような気がします。
本日の結論
産後少し体力にゆとりが出たら、キャリアに目を向けてみるとよい発見があるかも